the other side 1

The other side of urban city life
リリース記念対談
HAPPYSAD ×JEFFREY YAMADA
第一回「ハッピーエンドにはならない」

< アルバム「The other side of urban city life」全曲試聴 >

楽曲試聴はコチラ


アルバム「The other side of urban city life」リリース記念ということで、ライナーノーツを担当してくださったJeffrey yamadaさんと草野が対談を行いました。

音楽のことも、全然関係ないことも、生活も、仕事も、全部ひっくるめて色々話しております。(対談全9回)飲んでる時のようなリラックスした対談を是非お楽しみください。


草野:HAPPYSADのアルバム「The other side of urban city life」が
2013/11/20にリリースされました。

山田:おめでとうございます。形になると感慨もひとしおですね。
感無量?

草野:そうですね。アルバムのジャケットはブルー・ノート(老舗のジャズレーベル)の作品みたいなデザインになっておりまして、アルバムの裏にはJeffrey yamadaさんの文章が載っております。

山田:素晴らしい。

草野:自画自賛しておりますが(笑)

山田:ジャケットの写真はどういう経緯で、こうなったの?

草野:カメラマンさんにお願いして野外で撮影をしてきました。かなり暑い日で、お昼過ぎの2,3時頃でしたかね。代々木公園に行って撮ったんですが、カメラマンの人が暑さですごく帰りたそうにしてました(笑)
普段、人物を撮るカメラマンの方だったので、「僕ではなくてバックの風景を撮って下さい」とお願いしました。ねばった甲斐あって、いい絵が撮れました。

山田:そうか、確かに11月のリリースに向けては暑い時期から
やっていかなきゃだもんね(笑)

草野:8月くらいでしたかね。

山田:どうでしたか、こうやってパッケージとして形になる感じというのは?

草野:いやー嬉しいですね。

山田:意外だねえ。僕、あんまりそうなるとは思ってなかったけど(笑)

草野:僕も作ってみるまで、そんな感じになるとは思ってなかったですけども。
実際出来てきたものを見るとインパクトありますもんね。アルバムの後ろに解説文もあったり。

山田:すでにリイシュー版(復刻版)みたいな趣きがあるよね。

草野:自分が今まで中古レコード屋さんで買ってきたCDの雰囲気があると、
「おっ」ってなりますよね。

山田:このCDもそのうちディスクユニオンなんかでセールで並ぶんだろうなあ。あっ、とか言って(笑)

草野:これ100円とかで安売りされてたら嫌だなあ(笑)

山田:でも、ものの運命ってそうじゃない?(笑)
その後、価格が値上がるかも知れないしさ。

草野:山田さんと前に話してましたけど、テリー・キャリアーとか、
今でこそ評価されているアメリカのミュージシャンていますけど、それこそ全然売れなかった時代もあるという。

山田:そうよ。

草野:売れないんでアルバムが5ドルくらいで売られていたとか。

山田:あのほら、廃盤で入手困難なレコードとかって、もともとそういうのばっかりじゃん。

草野:そういった廃盤を日本で再発売する流れがあって、僕は今までそういう再発ものを買って聴いて、その恩恵・影響があって、今回のHAPPYSADのアルバムが出来ているという部分もあるわけなんですよ。

山田:確かにそういう聴き方のインプットがあって、それをもとに作品ができる世代としてはそうだろうね。もちろん、リアルタイムでどこまで音楽を聴いてるかって、限りはあるよね。例えばルー・リードにしたってさ、彼を昔から知っていたようにみんな言うけども、あのバナナのジャケット(アンディ・ウォーホルがデザインしたベルベットアンダーグラウンドの1STアルバム。1967年作)の頃からリアルタイムで聴いてる人、日本にはそんないないもんね。

草野:僕等はもう後聴きの世代なんですけどね。
でもいいですよね、年配のアーティストが若い頃にしっかりしたものをつくろうっていう意気込みがなかったら、やっぱりそれを後に聴いた僕等も「おっ」て思わないと思うし。

山田:それってシビアなところでさ、「新作」、「ニューアルバム」とかって、
新しいものに対するワクワク感ってだんだん無くなってこない?

草野:それはつまり活動歴の長いアーティストの新作、という意味でですが?

山田:もそうだし、なんか「新しい」ことに価値が無くなってくるというかさ、
「新しい」から良いの?みたいな。

草野:それは山田さんがレコードマニアだからじゃないですか?(笑)

山田:いやいや、マニアでもなんでもないですけど。

草野:僕は近頃は最新の音楽ばっかり聴いてますよ。

山田:もちろんそれはいいんだけど、今って古いブライアン・ウィルソンの音楽も新しいフライングロータスの音楽もラジオから一緒にかかってくるじゃん。

草野:そうですね。

山田:昔は洋楽トップチャートみたいなものがあったけどさ、
今って全然そんなことないじゃん。

草野:過去の名盤がクラシックとなって、クラシックの安心感みたいなものを
聴いてるみたいな感じですかね。

山田:そうそう。

草野:いまだにテレビ番組やCMから流れてきますもんね、ビーチボーイズとかビートルズだったり、アル・クーパーだったり。

山田:そう思った時に、今の高校生とかさ等距離で聴いちゃうわけじゃん。
古いものも新しいものも一緒に。たまたま気に入った曲が親の世代の音楽であったり、かといえば先週出た新譜だったりとかさ。

草野:僕等もそうと言えばそうかも知れないですね。
自分が今まで聴いたことのないものだったら新しいと感じるというか。

山田:このHAPPYSADのアルバムを初めて聴いた人がさ、これを新しいと思うか、いや、これは実は20年前のアーティストの復刻版ですって思うかさ(笑)

草野:これ2013年の再発版なんじゃないか?とか思う人がいたりして。

山田:この雰囲気とかもね。アルバムの評判はどうですか?

草野:色んな切り口があるアルバムなので、どの曲がいいという話を聞くと、
その人の好みがわかる気がしますね。あとは、MTVとLENOVOのコンテストでの受賞を知っている人は、受賞曲の「Everyday」がいいと言うと思いますし。

山田:そういえば、「ソウルボトム」だけなんでカタカナなの?

草野:特に意味はないですね。響きの面白さというか。

山田:それは本当ですか?(笑)

草野:「Lily」「ソウルボトム」ときて、三曲目に「Stand by me」がくる・・・
のですが、アルバムのジャケットには三曲目の「Stand by me」の

表記がなく、四曲目以降の表記がずれて記載されているという。
これは完全なる記載間違いですね。そして、四曲目の「everyday」に続く。

山田:すごいね。三曲目に「Stand by me」の表記がないのに、ライナーノーツではかなりの行数を「Stand by me」の解説に割いているという(笑)

草野:この大いなる矛盾を抱えたアルバムという(笑)

山田:とてもHAPPYSADらしい、という(笑)

草野:このカッコよく終わらない感じ、ハッピーエンドにならない感じ。
やはりハッピーサッドかなと。

山田:後で気がついたの?

草野:CDが届いて、翌日に気付きました。「あーーーー!」と思いましたね。
人に渡そうと思って持って行ったら、アレっ?て。

山田:はははは(笑)これはいいんじゃない。

草野:その日は立ち直れなかったですね(笑)

山田:僕もさ、見直しのために原稿もらった時、スマホの小さい画面で見ていたから、全体感がなくて気がつかなかった(笑)

草野:そうなんですよ。僕はPCで見てたのに気がつかなかったですよ。
ライナーノーツの細かい文章ばかりに気がとられていましたねー(笑)
曲のほうはもちろん問題ないですよ。

対談第二回に続きます