Everything is cost to pay
昨日から明日へ。
UKロック、モッズ、ソウルミュージックへのリスペクトをこめた一曲。2016/7/30 out
(収録曲)1.Everytihg is cost to pay
[ライナーノーツ] 文:Hiroaki kusano
ふと、昔のことを振り返ると、「あれは、なかなか痛みのともなうコストだったなあ」という出来事は、誰しも経験することだと思います。あのパンチはなかなか重かったなあ、というような。
コストやリスクという言葉は、痛みのともなうもの、避けたいものです。
でも、文字の羅列ではない血の通った実生活においては「あのリスクが、自分の行き先を決めた」って言えることも色々あったりします。それはかなり一定の時間が経ってからわかることですが。
昨日の自分を蹴っ飛ばして、毎日先へ進んでゆく。そんな、かっこいい表現が似合う生活はしていませんが、それでも、建設的な方向にハンドルを切って、今までポジティブに息をしてきたように思います。もし、つまらないことが目の前にあったとしても、それを面白くすることが、やがて出来るようになってゆくものだから。あらゆることは、そのためのコストだと僕はいつも思っています。
「Everything is cost to pay」直訳すると、”全ては支払うべきコスト”。何処へ行こうと、どんな生き方を選んでも、そこには支払うべき対価があります。一つ一つの支払いを終えて、新しくなった自分を感じながら、その先にある次の風景を見に出かけてゆく。毎日を生きることは作曲そのものです。そして、自分にとってこうして音楽を紡ぐことは、それら逆算されるリスクやコストを全部捨てた、無償のささやかな喜びであったりします。
(楽曲について)
この曲は2年くらい前から、メロディとコード進行のスケッチが出来ていたのですが、録音をするタイミングがなく、なんとなく先延ばしになっていました。
楽曲のイメージ的には、モータウン等のソウルミュージックをロックバンドが荒く演奏するようなサウンドをやりたいと思いました。
ビートルズやローリングストーンズに始まり、ホール&オーツ、ポール・ウェラー、タヒチ80等、現代に至るまで多くのミュージシャン達がその時代ごとに黒人音楽 / ブラックミュージックに憧れて紡ぐ音が心地よくて、僕は好きです。そこには誰かの音の傾向を真似るということだけではなく、先人のミュージシャンへのリスペクトも含まれているんですね。
どんな読書も、読み手が実生活で感じたことのない感情は共感することが出来ないように、音楽を通じて伝えられる喜びや痛みは、事あるごとに僕を救ってくれました。それは、何か行動を起こす時の原動力になってくれたり、自分の内側を見つめる材料にもなるからです。余談になりますが、いつもこのHPやCDでライナーノーツを書いて下さっていたJeffrey yamadaさんが現在闘病中です。
ここ6,7年一緒にお酒を飲む機会が多く、家族のような仲間なので、何とも言えない気持ちになっていましたが、今現在、お見舞いに行くと笑顔を見せてくれるので、自分も音楽を頑張ろうと思いながら、日々を暮らしています。
また、今回の曲だけではなく引き続き曲をつくり続け、完成次第、順次リリースが出来ればいいなと思っています。
皆さんに温かく見守っていただけたら、いいなあ。