再度、島に行ってきました。
伊豆諸島は7つの島があり、この前の島とは別の場所にゆるゆると訪れます。
このあたりに来ると気持ちがフラットになるし、くだらないことを考えなくなるので、わりとよい塩梅です。そして、このロケーションで飲むビールが美味いんだ。
温泉のロビーでくつろいでいたら、この島に住むご老人達が、過去を振り返る作文集のようなものを何冊もつくっていて、一冊いただいたのだけども、これがなかなかそこら辺の小説よりも濃い内容で、しばらく読みふけってしまった。
その中の一節。
今、80代くらいのお婆さんが書いたのかな。四国で舞妓さんをやっていて、訳あって青森に移り舞踊の先生をしながら親族の飲食業を手伝い、船乗りの旦那さんと出会い、旦那さんの住むこの島へ移る。
その生活風景と、色んな理由の集積の果てにこの場所へ来るくだりが、隣で話をしてくれるような、とても情景が目に浮かぶようなさっぱりとした書き方をしていて、なんだかとても良かった。
誰でも今現在、ここに至るまで、色んなことの集積で出来てますね。あの日の晩、もし缶コーヒーを買っていなかったら、とかあの時、電車に乗り遅れていたら、とかスーパーの卵パックを¥98にケチってなかったらとかね。
それは関係ないか。
嵐が来ようが、大雨が来ようが、町並みが崩れようが、それまで以上のものになって、人間やって来れてますよ。などという素朴な作文集でした。
いつか自分の心も体も物理的に全部なくなるわけだから、それまで、とりあえず生きてることを楽しまないと、ですね。